今年度最後の古文書講座を開催しました。

肥後の里山ギャラリー開館当初より開講している古文書講座。
熊本の歴史研究の第一人者の方々に最新の研究成果を披露していただく本講座は、
毎回多数の方がご参加される大人気の講座です。

この古文書講座の第17回と18回を、2月上旬に開催しました。

2月3日開催の古文書講座17では、熊本県立美術館参事山田貴司先生に
「加藤清正の経済政策」と題してご講演いただきました。HP用

「加藤清正の経済政策は、地域や時期、相手側の事情をよく視野に入れ、たくみに利益をあげる手法であり、
それが、熊本城や城下町の建設に生かされ、今日の熊本の都市形成に大きな影響を与えた。」
という山田先生の解説に、受講者の皆さまも納得。豪快な猛将のイメージが強い清正ですが、
古文書に見える実像は、経済手腕に長けた領国の経営者でもあったことが浮彫りになりました。

10日開催の古文書講座18は、八代市立博物館未来の森ミュージアム学芸係長鳥津亮二先生の
「加藤清正のクセ字―自筆書状を読んでみよう―」のご講演でした。HP用2
「古文書に見られる清正直筆の文章は、≪寒いからといって旗指物を指したまま羽織を着るな≫とか≪留守中に大酒を飲むな≫といった、
家臣に対してのこと細かな指摘や指示が多く、非常に緻密な性格であったことがうかがえる。」と鳥津先生。
さらに、清正の直筆を見分けるポイントや当時の手紙の構成についても触れられ、
これから古文書を読み解くのが楽しみになる内容でした。

両講義とも、受講者の方々には、充実した講義内容と講師の巧みな話術にご満足いただけたと思います。

この古文書講座は、来年度から、【里山ギャラリー歴史・文化講座】という新たな名称にリニューアルし、
より幅広い分野での講義を予定しております。(詳細については別途お知らせいたします)
来年度も、たくさんの方々のご参加をお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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